Roland R-880 & GC-8

一部で「Lexiconに勝てなかったローランドの失敗作」
みたいな評価をされてるみたいですが、
そもそもの生い立ちが違うので、比べるのはどうかと、、、。
聞いた話では、
大手建設会社からの依頼で、
設計したホールの音がどんな音か、実際に聴けるシミュレーションが出来る機械を作ってみたのがR-880の原型(?)らしい。
想像するに、
無響室の真ん中に椅子を置き、
椅子の周りに半球状にたくさんのスピーカーを設置し、
「幅Aメートル、高さBメートル、奥行きCメートルの空間で、
座席Dに届くF番目の残響音は、
(壁の反射率G)×(反射回数H)=IdB減衰し、
J方向に設置したスピーカーから、K秒後に届く」
みたいな設定を一つ一つのディレイ音にしたのかもしれません。
その名残が、
パラメータの細かい初期反射音と、
1台のコントローラーにR-880本体が何台も接続できる事
などに残ってる気がします。
しかし、
そんな細かい設定をしてたら普通の人は使えないので、
自動計算してくれるのが、
GC-8コントローラーです。
けれどもR-880の内部では実験室と同じ演算をしているので、
この機械は、「アルゴリズムリバーブ」ではなくて、
何百、何千というディレイ音が、リバーブに聞こえるのです。
どこまでも自然っぽいリバーブをお楽しみ下さい。
(だって、このシミュレーションと実際建てたホールの音が違ってたら、えらいこっちゃ。億単位の金が動くぞ)
今回収録したのは「tapタイプ」のホールリバーブで、
(マニュアル51、52ページ参照)
リバーブタイム、ルームサイズ、残響音密度
をファイル名に入れました。他は固定です。
初期反射音は、入れていません。
今回は「True Stereo」4トラックwavで収録してみました。
中身は、
L_in -> L_out
L_in -> R_out
R_in -> L_out
R_in -> R_out
の順に並んでいます。
私が使っている、MeldaProductionの「MConvolutionMB」では
advanced settingの中に下の様な選択肢があって、
「LRLR」を選ぶと良い感じになりました。

うまくいかない場合は、(恐らく残響音が左右どちらかに片寄る)
4トラックwavを2トラックにミックスダウンすれば、
(モノラル入力と同義になりそうだが)
普通に使える様になると思います。